重いものはいつからOK?自転車・運転・旅行の目安【手術後の生活】...
2026/03/31
2026/07/12
産婦人科医の錢 瓊毓(せん・けいいく)です。
「またカンジダになりました」
婦人科外来では、とてもよく聞く言葉です。
毎月のように症状が出る方。
数ヶ月おきに繰り返す方。
市販薬で一旦良くなっても、また再発する方。
かゆみ、ヒリヒリ感、おりものの変化。
そのたびに治療を受けるけれど、また繰り返す。
「この終わりのないループを、なんとか断ち切りたい」
そう言って受診される方は少なくありません。
ここでは、繰り返す腟カンジダ/カンジダ外陰腟炎に対して、どのようにアプローチをするのかについてお話します。
実は、ここがとても重要です。
「以前カンジダと言われたことがある」
「症状が似ている」
そのため、毎回 “カンジダだろう” として治療されているケースがあります。
しかし、外陰部のかゆみや違和感は、必ずしもカンジダだけで起こるわけではありません。
例えば、
など、別の原因が隠れていることもあります。
だからこそ、繰り返す場合には、
「本当にカンジダなのか?」
を、改めて確認することが大切です。
カンジダだと確認できた場合、次に考えるのが、
“どの薬が効くのか?”
です。
その際に行うのが、薬剤感受性試験です。
これは、検出されたカンジダ菌に対して、
を確認する検査です。
通常の単純なカンジダ腟炎では、多くの場合、一般的な治療で改善します。
そのため、毎回この検査をするわけではありません。
ただ、
という場合には、
「耐性菌ではないか?」
を確認する意味があります。
カンジダを繰り返す方に対しては、
「症状が出た時だけ治療する」ではなく、
再発を抑えるための長期投与という考え方があります。
これは日本だけの特殊な方法ではありません。
海外のガイドラインでも認識されている、科学的根拠のある治療法です。
実際、再発性外陰腟カンジダ症(Recurrent Vulvovaginal Candidiasis)に対しては、
「一定期間、抗真菌薬を維持的に使用する」
という治療戦略が広く行われています。
ここが少し複雑なところです。
実は、こうした再発抑制治療は、日本の保険診療では認められていません。
つまり、「医学的には妥当で、世界的にも行われている治療」であっても、
日本の保険制度では十分にカバーされない
という状況があります。
保険診療で認められない場合、処方した薬剤費は、患者さんではなく、医療機関側の負担になります。言い換えると、患者さんの自己負担が増えない一方で、クリニック側がその費用を抱えることになります。
もちろん、「困っている方の力になりたい」という気持ちはあります。
ただ、それを無制限に続けると、医療機関として継続的に運営していくことが難しくなります。
これは、「出したくない」のではなく、
“続けるために、どう現実と折り合いをつけるか”
という問題でもあります。
そのため当院では、カンジダ再発抑制目的の抗真菌薬長期投与については、
自費での院内処方へ切り替える方針としました。
これは、
ではありません。
一般的に使用されている抗真菌薬を、医学的根拠に基づいて使用するものです。
ただ、日本の保険制度上、継続的な再発抑制投与がカバーされにくい、というだけです。
繰り返すカンジダに対しては、
「またなったから治す」だけではなく、
まで含めて考えることが大切です。
「ずっと繰り返していて困っている」という方は、
一度、治療の組み立て自体を見直してみてもよいかもしれません。
ご希望の方は、診察時にご相談ください。
また、一回きりの通常治療であれば、これまで通り保険診療で対応しています。ここは今までと変わりません。
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