子宮内膜症の手術について知りたい方へ | 芦屋ウィメンズクリニック | 芦屋市の婦人科
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子宮内膜症のこと

2024/10/31

子宮内膜症の手術について知りたい方へ

子宮内膜症の治療には手術が必要な場合があります。
どのような手術が行われるのか、またその選択基準や手術後のケアはどのようなものなのでしょうか?この記事では、手術について知っていただきたい情報をお伝えします。

何のために手術をするのかが大事です

子宮内膜症に対する手術は、主に以下の目的で行われます。

  • 症状緩和:薬物療法では改善が難しい痛みや出血を和らげるため
  • 不妊の原因検索:不妊症の原因を明らかにするため
  • 不妊治療:不妊の原因となる病変を切除するため
  • 組織診断:病変部位を取り除き、正確な診断を得るため
  • 癌化予防::一部の病変の癌化リスクを減らすため

これらの目的に合わせ、医師と相談して最適な治療方法を選ぶことが大切です。

手術の方法は大きく分けると二つあります

子宮内膜症の手術には、腹腔鏡手術と開腹手術があります。当院では腹腔鏡手術が適していると考えていますが、各手術の方法や適応は以下のとおりです。

腹腔鏡手術

方法:
腹腔鏡を用いて小さな切開から子宮内膜症の病変や臓器を切除する手術です。内視鏡カメラを使ってお腹の中を拡大視しながら、手術器具で病変を取り除きます。

利点:
お腹の中を拡大視することで、骨盤の深いところや臓器の癒着、細かい血管の走行が肉眼よりも良く見えるため、きめ細やかな手術が可能です。傷も小さいため、痛みが軽い、回復が早い、入院期間が短いといったメリットもあります。ただし、手技の習得に一定の修練が必要なため、適切に行える施設が限られます。

適応:
すべての子宮内膜症患者が対象と考えますが、個々の病状や体格によって手術のリスクが変わるため、手術を担当する医師とよく相談しましょう。

開腹手術

方法
お腹を縦または横に切って、子宮内膜症の病変や臓器を切除する方法です。病状によって傷の大きさが変わりますが、一般的には10~15㎝程度です。

利点
一般的な手術なので、ほとんどの施設で受けることができます。

適応
すべての子宮内膜症患者が対象です。

手術の目的に応じて「術式」を決めます

病変の部位や手術の目的によって以下の術式を組み合わせて行います。手術の選択肢は個々の患者の症状や希望に応じて決定されるため、医師と相談し、最適な治療法を選ぶことが重要です。

卵巣嚢腫摘出術
チョコレート嚢腫に対して行われます。卵巣に発生した子宮内膜症の病変のみを切除し、卵巣の機能を温存する手術です。主に、今後の妊娠を希望している患者さんに行われます。ただし、手術によって卵巣機能を低下させるリスクもあるため、手術の方法やタイミングは慎重に検討する必要があります。

付属器切除術
チョコレート嚢腫に対して行われます。病変が発生した側の卵巣と卵管を切除する手術です。主に、今後の妊娠を希望しない40代以降の患者さんに対して、卵巣がんの予防目的、または卵巣がんが疑われる時に行います。

付属器周囲癒着剥離術
卵巣や卵管周囲の癒着を剥がす手術です。主に、不妊症の患者さんに対して行われます。

子宮全摘術
子宮腺筋症や月経困難症、慢性骨盤痛の患者さんに対して、過多月経や痛みなどの症状を緩和する目的で行われます。今後の妊娠を望まない患者さんが対象です。

深部子宮内膜症病巣切除術
骨盤内に発生した子宮内膜症病変を切除する手術です。月経困難症や慢性骨盤痛の患者さんに対して、疼痛を緩和する目的で行われます。

子宮腺筋症切除術
子宮腺筋症を切除する手術です。主に、不妊症の患者さんに対して行われます。

再発予防のためには術後の継続的なケアが重要です

手術は子宮内膜症の症状を緩和し、生活の質や妊孕性(妊娠するために必要な力)を向上させるために有効な方法ですが、術後の継続的なケアも重要です。術後の再発予防目的に薬物療法を開始することもあります。いずれにせよ、定期的なフォローアップが手術の効果を持続させるので、「手術が終わったら終わり」とは思わず、担当医との長い付き合いを続けてください。

不安な症状を放置せず、医師に相談を

子宮内膜症を疑う症状があれば、ひとりで抱え込まず一度医師に相談してください。早期の対応が症状の改善や健康への第一歩につながります。あなたの健康と将来のために、医師としっかり相談し、適切な治療方法を見つけましょう。

芦屋ウィメンズクリニックからのメッセージ

芦屋ウィメンズクリニックでは、患者様の「今」だけを診るのではなく、一人ひとりのキャリアや人生観などの「未来」もお聞きしながら、最適な治療のタイミングと方法を一緒に考えていきます。他院で手術を勧められているが二の足を踏んでいる方、一度当院でお話をしてみませんか?

当院では、通常の診療枠ではなく、セカンドオピニオン外来という形で十分な時間を確保してお話をさせていただくことができます。セカンドオピニオン外来の場合は、面談時間を最大限に活用し、かつご期待に沿う情報提供をするために、可能な限り事前に情報をお送りいただき、担当医がしっかりと準備をしたうえで面談に臨みます。そのため、セカンドオピニオン外来ご希望の方は、通常のLINEやWeb経由の予約ではなく、メールでお問い合わせください。

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