
【総集編】未来を守る手術の話 全5回まとめ...
2025/08/21
2024/12/17
「低用量ピル、気になるけどちょっとこわい」
「避妊って自分の体でどうすればいいの?」
そんなふうに感じている方にこそ、知っておいてほしい内容です。
避妊は、自分の体と人生を守るための、大切な選択。
そしてその選択肢のひとつが、低用量ピルです。
「ピル=避妊薬」というイメージが強いかもしれませんが、実はそれだけではありません。月経痛や肌荒れ、生理不順、PMS(月経前症候群)など、女性が日々抱える“ちょっとした不調”を改善してくれる力もあるのです。
日本で承認されている低用量ピルは、それぞれに異なる特徴を持っています。一見同じように見えるピルですが、実は種類によって成分や特徴が異なるのです。
この記事では、はじめての方にもわかりやすく、低用量ピルのしくみや種類、メリット・注意点まで、産婦人科医の視点から丁寧に解説します。
どうぞ、安心して読み進めてくださいね。
低用量ピルは、女性ホルモンである「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」を極めて少量含む経口避妊薬です。これらのホルモンが卵巣の排卵を抑制し、受精を防ぐ仕組みになっています。つまり、排卵を一時的に止めることで、妊娠を防ぐしくみです。服用をやめれば、通常は自然に排卵が再開します。
低用量ピルには、避妊以外にもさまざまな効果があります。生理痛の軽減、生理不順の改善、にきびのケア、月経前症候群(PMS)の症状緩和など、女性のお困りごとに対して効果を発揮します。
現在、日本で承認されている低用量ピルは、主に13種類ほどあります。違いは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の配合比や、使用する黄体ホルモンの種類、そして保険適応の有無です。日本で発売されている低用量ピル(2024年11月時点)を、含有卵胞ホルモン量、黄体ホルモンの種類、相性、保険適応の観点から整理します。
「相性」という言葉が聞きなれないと思うので、簡単に説明します。ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが配合されています。その配合割合を表しているのが「相性」です。
一相性は、1パック内のすべての錠剤が同じホルモン量なので、毎日同じ量の卵胞ホルモンと黄体ホルモンを服用することになります。一方で、二相性は1パック内で2段階のホルモン量の変化、三相性は3段階のホルモン量の変化で構成されています。
現在、日本で最も一般的なのは一相性ピルです。二相性・三相性ピルは限定的または過去のものとなっています。また、一相性ピルは飲み方を変えれば生理の時期を自分で決めることができます。生理をほとんど起こさないようにすることもできます。
このように、一相性ピルは個々人のライフスタイルに合わせた飲み方ができるので、芦屋ウィメンズクリニックでは、一相性ピルをおススメしています。
保険適応となるためには、月経困難症や子宮内膜症などの病気が背景にあることが前提になっています。
保険適応の低用量ピルは、日本全国一律の値段です。ただし、月経困難症や子宮内膜症などの診断が必要となります。一方で、保険適応外だと、同じものでも違う病院で買えば価格が異なります。
また、知っておいていただきたいのは、保険適応のピルが必ずしも最も安価とは限らないという点と、保険制度で定められているため処方できる量に上限(通常は1~3ヶ月)があるという2点です。
保険適応外(自費)のピルは、ある程度まとまった量を購入することが可能です。例えば、海外留学・勤務のため、長期間日本に戻る予定がないので飲みなれたピルを持っていきたい、と思った場合、渡航先で完全に同じピルが手に入るとも限らないので、渡航前に半年~1年分購入を希望する方もいらっしゃいます。この場合、保険適応のピルではこの要望にお応えできず、自費で購入する(価格はいつもの倍以上になります)または保険適応外のピルに切り替えていただくことを提案しています。
以下、2024年11月時点で日本国内で販売されている低用量ピル一覧です。
ピル名 | 卵胞ホルモン量 | 黄体ホルモン | 相性 | 保険適応 |
---|---|---|---|---|
ルナベルLD | EE 0.035mg | ノルエチステロン | 一相性 | 適応 |
ルナベルULD | EE 0.02mg | ノルエチステロン | 一相性 | 適応 |
フリウェルLD | EE 0.035mg | ノルエチステロン | 一相性 | 適応 |
フリウェルULD | EE 0.02mg | ノルエチステロン | 一相性 | 適応 |
シンフェーズ | 一定ではない | ノルエチステロン | 三相性 | 適応外 |
ジェミーナ | EE 0.02mg | レボノルゲストレル | 一相性 | 適応 |
ラベルフィーユ | 一定ではない | レボノルゲストレル | 三相性 | 適応外 |
トリキュラー | 一定ではない | レボノルゲストレル | 三相性 | 適応外 |
アンジュ | 一定ではない | レボノルゲストレル | 三相性 | 適応外 |
マーベロン | EE 0.03mg | デゾゲストレル | 一相性 | 適応外 |
ファボワール | EE 0.03mg | デソゲストレル | 一相性 | 適応外 |
ヤーズ | EE 0.02mg | ドロスピレノン | 一相性 | 適応 |
ドロエチ | EE 0.02mg | ドロスピレノン | 一相性 | 適応 |
低用量ピルを効果的に使用するためには、医師の指示に従い、毎日同じ時間に服用することが大切です。飲み忘れは避妊効果を下げる可能性があるため、アラームをセットするなど、きちんと管理しましょう。
服用を中止したいと考えているときは、必ず事前に産婦人科医に相談してください。妊娠を希望する場合や、副作用が気になる場合も同様です。特に、以下のようなタイミングで中止を検討できます:
どの低用量ピルにも、軽度の副作用の可能性があります:
これらの症状は、多くの場合、服用開始後1-2ヶ月で改善されます。気になる症状が続く場合は、我慢せずに医師に相談してください。個人の体質に合わせて、ピルの種類を変更することで、快適に服用できることも多いです。
低用量ピルの副作用としてよく知られているのが「血栓症(けっせんしょう)」です。これは、血管の中に血のかたまり(血栓)ができてしまう病気で、そのかたまりが血管に詰まってしまうと、命に関わるような重い状態になることもあります。だからこそ、注意が必要な副作用です。
こんなふうに聞くと、「ピルって怖い薬なの?」と思うかもしれません。でも、低用量ピルによる血栓症の発症はとてもまれで、決してよく起こるものではありません(ゼロではありませんが)。そのため、ピルのメリットとリスクをしっかり比べて、自分にとってどちらが大切かを冷静に考えることが大事です。
血栓症のリスクは年齢とともに少しずつ高くなります。また、飛行機や車で長時間同じ姿勢でいる「エコノミー症候群」のように、体を動かさずにじっとしている時間が長いこともリスクになります。さらに、水分不足(脱水)や、高血圧・肥満なども血栓症を起こしやすくする要因です。これらの条件が重なるほど、リスクも高まります。
逆に言い換えると、20代でタバコを吸わず、体重が標準範囲内で特に健康上の問題がない方であれば、低用量ピルで血栓症を起こすリスクは非常に低いと考えられます。
私たちの人生は、「どのリスクを受け入れて、どのリスクを避けるか」という選択の連続です。低用量ピルを使うかどうかも、そのひとつ。
たとえば、「毎月つらい生理痛をこのまま我慢し続けるのか?それとも、血栓症という小さなリスクはあるけれど、ピルを使ってみるのか?」——ぜひ、ご自身の体と気持ちに向き合って、考えてみてください。
迷ったときは、どうぞ医師に相談してください。いっしょに答えを見つけていきましょう。
はじめてピルを選ぶとき、わからないことがあって当然です。
「これって私に合ってる?」
「副作用って大丈夫?」
そんな不安や疑問があれば、いつでもご相談ください。
あなたの毎日が、より快適で、自分らしくあるために。
芦屋ウィメンズクリニックは、あなたの選択を一緒に支えます。
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