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その他の病気のこと

2025/12/08

【連載 Vol.2】性感染症のなにがいけない?|梅毒とHIV

こんにちは。産婦人科医の錢 瓊毓(せん・けいいく)です。

突然ですが、性感染症の何がいけないのでしょうか?
病気にならないのが一番ですが、「罹ったって治療できるのだから、そんなに深刻に考えなくてもいいのでは?」——そう思ったことはありませんか。

一時的な症状だけで済むものなら、その考え方でも大きな問題はないかもしれません。でも、中には将来の妊娠や出産、そして人生全体の安心にまで影響する性感染症があります。

だからこそ、この連載では「性感染症」とひとまとめにせず、ひとつずつの病気について解説していきます。短期的な影響と長期的な影響の違いを知り、自分の未来をどのように守るのかを一緒に考えていきましょう。

第1回は、クラミジアと淋菌。
第2回は、梅毒とHIV。
第3回は、B型肝炎とC型肝炎。
第4回は、トリコモナス。
第5回は、ハイリスクHPV(ヒトパピローマウイルス)。
第6回は、マイコプラズマとウレアプラズマ。

では早速、第2回の本題に入りましょう!

梅毒

日本で急増中の性感染症

梅毒は近年、日本で再び増加している性感染症です。原因は「梅毒トレポネーマ」という細菌で、感染から時間が経つにつれて症状や影響が大きく変化するのが特徴です。

感染初期には、性器や口に「しこり」や潰瘍が出ることがありますが、痛みが軽く、気づかれずに自然に治ったように見えることもあります。その後、数週間から数か月の間に、全身に発疹が出たり、リンパ節が腫れたりすることがあります。

問題は、その後です。治療せずに放置すると、数年から十数年の経過で心臓や血管、神経系に深刻な障害を及ぼすことがあります。また、妊娠中に感染していると胎児に伝わり、先天梅毒を引き起こすこともあります。これは赤ちゃんの命や健康に大きな影響を及ぼします。

現在、梅毒は抗菌薬(ペニシリンなど)で治療可能ですが、進行すると治療しても後遺症が残ることがあります。感染の早期発見が、未来の健康を守る上で極めて大切です。

見逃してしまうと未来に影響します。早めの検査が安心を積み重ねます。

HIV感染症(エイズ)

発症を防ぎながら健康を保てる病気

HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」の略で、体の免疫を少しずつ壊していくウイルスです。感染するとすぐに重症になるわけではありません。むしろ初期には無症状で過ごせるため、気づかないまま数年から10年以上経過することもあります。

しかし時間が経つと免疫力が低下し、通常ならかからない病気(カリニ肺炎やカポジ肉腫など)を発症する段階に進みます。この状態を「エイズ(後天性免疫不全症候群)」と呼びます。

かつてはHIV感染=不治の病というイメージが強くありました。しかし今は違います。抗HIV薬の進歩によって、ウイルスを抑え込み、発症を防ぎながら健康を保つことが可能になっています。つまり「早く知って、早く治療を始める」ことが、人生を大きく変えるのです。

自分の健康だけでなく、パートナーや家族を守ることにもつながります。だからこそ、症状がなくても定期的な検査が欠かせません。

早く知ることで選べる未来があります。定期的な検査をぜひ取り入れてください。

未来のために

安心を積み重ねる習慣、性感染症検査をライフスタイルに

HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」の略で、体の免疫を少しずつ壊していくウイルスです。感染するとすぐに重症になるわけではありません。むしろ初期には無症状で過ごせるため、気づかないまま数年から10年以上経過することもあります。

しかし時間が経つと免疫力が低下し、通常ならかからない病気(カリニ肺炎やカポジ肉腫など)を発症する段階に進みます。この状態を「エイズ(後天性免疫不全症候群)」と呼びます。

かつてはHIV感染=不治の病というイメージが強くありました。しかし今は違います。抗HIV薬の進歩によって、ウイルスを抑え込み、発症を防ぎながら健康を保つことが可能になっています。つまり「早く知って、早く治療を始める」ことが、人生を大きく変えるのです。

自分の健康だけでなく、パートナーや家族を守ることにもつながります。だからこそ、症状がなくても定期的な検査が欠かせません。

早く知ることで選べる未来があります。定期的な検査をぜひ取り入れてください。


筆者紹介
錢 瓊毓(せん・けいいく) 産婦人科医/芦屋ウィメンズクリニック
HP:芦屋ウィメンズクリニック
日本産科婦人科学会 専門医
外資系コンサルティング会社勤務を経て、医学部へ進学し、産婦人科医となる。「知識は未来を変える」を信念に、産婦人科医の知識と知見が社会において最大限に活用されることを願っている。


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