
【総集編】未来を守る手術の話 全5回まとめ...
2025/08/21
2025/09/15
このページを、ぜひパートナーの方と一緒に読んでください。
あるいは、そっとLINEで送ってあげても構いません。
このページは、赤ちゃんの命を守るために、
「ふたりで知っておいてほしい大切なこと」をまとめたものです。
妊娠中の性感染症は、症状が出ないまま気づかずに進行することもあります。
でも、早めの検査と予防で、守れる未来があります。
赤ちゃんの誕生を楽しみにしているすべてのご家族へ。
ぜひ、「今」読んでいただきたい内容です。
赤ちゃんができたとわかった日。
ふたりで喜んだあの瞬間を、あなたは覚えていますか?
家族みんなで「どんな子が生まれてくるんだろう」と、楽しみに話し合った日々。
ベビー服を選んだり、部屋を整えたり、未来を育てる準備を、少しずつ始めていたはずです。
妊娠中に感染すると赤ちゃんに大きな影響を与える病気がいくつかあります。
そのひとつが「梅毒」。
母子感染によって、赤ちゃんに障害が残ったり、命に関わることもあるのです。
不安をあおるつもりはありません。これらのことが、あなたの行動ひとつで予防できるものでもあることをぜひ知ってください。
国立感染症研究所の報告(2025年1月)によると、2024年の梅毒の届出数は14,663例。
10年前と比べると約12倍に急増しています。
そして、赤ちゃんが感染する「先天性梅毒」は2023年・2024年ともに30例を超え、増加傾向にあります。
*「2022年感染症発生動向調査事業年報」厚生労働省健康生活衛生局感染症対策部感染症対策課・国立感染症研究所感染症疫学センター(2024年4月15日発行)
妊婦さんは、妊娠初期に性感染症の検査を受けます。
でも、梅毒やクラミジアは感染しても無症状であることが多く、妊娠後にうつされると再検査されないまま進行してしまうことがあります。
そしてその感染源の多くが、妊娠中のパートナーなのです。
もし過去に不安があっても、今、検査を受ければ守れる命があります。
パートナーを想い、赤ちゃんを想い、その行動が、本当の強さになるんです。
小さな命が無事に生まれ、「おめでとうございます」と伝えるその瞬間を、あたたかく守れる人でいてください。
あなたの行動が、家族の未来をつくります。
✅1.パートナーが通っている産婦人科・婦人科で
もし奥さまが通院しているクリニックがあるなら、「自分も検査を受けたい」と相談してみてください。
妊婦健診の一環として、パートナーへの検査にも対応している医療機関もあります。
安心して一緒に通えるのが大きなメリット。
✅2.自治体の保健所や検査センターで
多くの自治体では、無料または低価格で梅毒やHIVの検査を受けられる保健所があります。
匿名でOKなところも多く、ハードルが下がります。
「〇〇市 梅毒検査」「〇〇区 性病検査」などで検索してみてください。
予約が必要な場合もあるので事前チェックを。
✅3.泌尿器科や性病科クリニックでもOK
男性向けの性感染症検査は、泌尿器科や、性感染症専門のクリニックでも受けられます。
特に浮気や複数のパートナーに心当たりがある場合は、梅毒・クラミジア・HIV・淋病など複数項目を同時に検査するのがおすすめです。
もしご家族にバレないようにこっそり検査をしたいなら、健康保険を使わずに自費診療で検査を受ければ大丈夫です。
ご家族に内緒にすることを勧めるわけではありませんが、検査をするハードルがこれで下がるのなら、ぜひそうしてください。
✅4.自宅でできる郵送キットもあります(ただし注意点あり)
最近は、オンラインで注文できる郵送検査キットもあります。
「人と会うのはちょっと…」という方には便利ですが、
・陽性だった場合のフォロー体制が不十分なケース
・検査の質にばらつきがあること
など、慎重な判断が必要です。
できれば対面で医師の説明を受けながら検査することをおすすめします。
検査を受けるのは、「信頼のカタチ」です。
たった一度の検査で、奥さんの不安が減り、赤ちゃんの未来が守られる。
それは、家族への最高のプレゼントかもしれません。
「心配かけたくないからこそ、自分から動く」
そんなパートナーの姿勢は、一緒に子育てしていく未来にもつながっていきます。
妊娠が分かったとき、それはひとつの命のはじまりであると同時に、あなたが「家族を守る側」になる瞬間でもあります。
赤ちゃんは、私たち大人が守ってあげなければいけない存在です。
それはもちろん、妊婦さんだけの責任ではありません。
性感染症は、いま日本で確実に増えています。
国の報告でも、梅毒は10年前の12倍以上に増加し、赤ちゃんに感染する「先天性梅毒」の症例も、2023年・2024年と30例を超えて報告されています。
その多くが、妊娠中のパートナーからの感染によって起きている。
だからこそ、今この記事を読んでくださっているあなたのような方に、「検査を受ける」という行動ができる人になっていただきたいのです。
検査は、怖いものではありません。
自分を責めるものでもありません。
むしろそれは、「大切な人を守る力が、自分にある」と確認する機会です。
どうか、ご自身と、ご家族と、これから生まれてくる小さな命のために。
一歩踏み出してください。
それが、“父親になる”ということの、最初の一歩です。
芦屋ウィメンズクリニック
院長 錢鴻武より