子宮鏡手術について知っておきたいこと...
2024/11/17
2024/12/11
検診で「卵巣が腫れている」、「卵巣嚢腫ができている」と言われて不安になっていませんか?卵巣嚢腫にはどんなものがあり、どういう特徴があるのか、どういう経過たどるのか、いろいろと気になることがあると思います。ここでは、代表的な卵巣嚢腫の種類について簡単に説明します。
組織の中になんらかの液体が溜まって袋状になっているものを、嚢腫または嚢胞と呼びます。
卵巣嚢腫とは、卵巣内になんらかの液体がたまってできる袋状のものです。それを、医師は慣習的に「卵巣が腫れている」と表現しますが、どうしてそうなったのかはわかりません。昔からみんながそう表現していたので、あまり疑問を感じずに使っていましたが、「腫れている」と言われた方はびっくりしますよね。傷口が腫れるとか、捻挫して足首が腫れるなど、炎症で組織が腫れるのとは全然違うので、「卵巣が膨れている」という表現がイメージとしては正しいのかも知れません。
では、卵巣嚢腫にはどのような種類があるのでしょうか。
1.機能性嚢胞:
これは、卵巣が正常に機能しているときに、生理的にできる嚢胞であり、周期的に発生します。例えば、卵胞は、排卵期までにみられる1〜2㎝程度の嚢胞状のものです。また、黄体嚢胞は、排卵後に発生する黄体内に水や血液が溜まって膨らんだもので、次の月経の周期に入れば、自然に小さくなります。機能性嚢胞の多くが4〜5㎝以内ですが、時々それ以上に大きくなることがあり、漿液性腺腫などと誤認されることがあります。
2.子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢腫)
子宮内膜症の卵巣にできる病変のことをいいます。 子宮外に発生した子宮内膜組織が卵巣に入り込み、月経の周期に合わせて卵巣内で出血を繰り返します。溜まった血液がドロッとしたチョコレートのような性状になることからこの名前が付いています。大きくなると嚢胞が破裂して強い痛みを引き起こすことがあります。また、子宮内膜症が進行することで、骨盤痛や不妊症の原因になることがあるので、適切な管理のもとで、適切な治療を受けましょう。
3.成熟奇形腫(皮様嚢腫)
20〜40代の方では頻度の最も高い良性の卵巣腫瘍です。このタイプの嚢腫は、卵巣の中に脂肪や皮膚、毛髪、歯などの体の一部が嚢胞内に含まれます。ほとんどのものが良性ですが、ごくまれに悪性のものもあります。自然に消失することはなく、大きくなると捻じれることがまれにあります。捻じれた際には、激しい腹痛を引き起こし、緊急手術が必要となるため、適切なタイミングで手術を受けることをお勧めします。
4.漿液性嚢胞
薄い透明な水に近い液体が溜まる嚢腫で、ほとんどは良性ですが、悪性に変化する場合もまれにあります。定期的な検査を受けて、適切なタイミングで手術を受けましょう。
5.粘液性嚢胞
粘液を含む嚢腫で、卵巣内に粘り気のある液体が溜まります。一般的に良性ですが、まれに悪性に変化することもあるため、定期的な検査が推奨され、適切なタイミングで手術を受けましょう。
卵巣嚢腫には、いくつかの種類があります。それぞれの嚢腫には異なる特徴があるため、自分に合った管理方法を知ることが大切です。定期的な検査や医師との相談を通じて、適切に対応しましょう。
芦屋ウィメンズクリニックでは、患者様の「今」だけを診るのではなく、一人ひとりのキャリアや人生観などの「未来」もお聞きしながら、最適な治療のタイミングと方法を一緒に考えていきます。検診などで「卵巣嚢腫かも?」と指摘された場合は、ぜひ受診してください。来院困難な場合には、まずはオンライン診療でお話を伺うこともできるので、お問い合わせください。