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2025/03/08
2025/02/20
こんにちは。芦屋ウィメンズクリニックの錢鴻武(せんこうぶ)です。
本日は、子宮内膜ポリープが妊娠に与える影響やその治療についてお話します。
子宮内膜ポリープは、子宮内にできる小さな「きのこ状のイボ」のようなものです。大きさは数ミリから2~3センチまでさまざまで、1個だけできる場合もあれば、複数発生することもあります。ほとんどが良性ですが、まれに悪性(約3%)のものもあります。また、不妊症の原因となることもあります。
子宮内膜ポリープがあると子宮内の環境が変化し、妊娠を妨げることがあると言われています。正確なメカニズムは明らかになっていませんが、ポリープを切除することで妊娠率が向上するというデータがあります[1][2]。
子宮内膜ポリープは決して珍しい疾患ではなく、妊娠・出産が可能な年齢の女性の約10%に存在しているとされています。一方で、不妊治療を受けている女性の約24~30%に子宮内膜ポリープが見つかるという報告もあります。そのため、妊娠を希望している場合や不妊を認める場合には、早期に適切な診断と治療を受けることが大切です。
子宮内膜ポリープはの診断は、以下の検査で行われます:
子宮内膜ポリープの治療は、子宮鏡手術が最も一般的です。この手術では、腟から挿入するカメラ(子宮鏡)を用いて子宮内を観察しながらポリープを摘出します。日帰りまたは短期間の入院で行える、体への負担が少ない手術です。
芦屋ウィメンズクリニックでは、日帰りで子宮鏡手術を実施しています。
*詳細は別記事をご参照ください。
子宮内膜ポリープが見つかったとしても、必ず治療が必要というわけではありません。症状がなく、妊娠を希望していない場合は経過観察を選ぶこともあります。大きさ、症状、妊娠希望の有無、年齢などを考慮して治療方針を決定します。
一方、妊娠を希望している場合や不妊治療中にポリープが見つかった場合は、早めに治療を受けることで妊娠の可能性を高められることがあります。ポリープを摘出することで子宮内環境が整い、妊娠率が上昇することが期待できます。
もちろん、すべての方が妊娠を考える際に子宮内膜ポリープを治療しないといけない、というわけではありません。妊娠に影響する因子はたくさんあるので、実際には、ご自身の年齢や不妊歴などを総合的に考え、医師と相談しながら最適な選択をすることが大切です。
子宮内膜ポリープは良性であることが多いですが、不妊症の原因になることもあります。妊娠を希望している場合、または不正出血などの気になる症状がある場合(悪性の可能性があるため)は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
小さな一歩が、大きな未来への変化をもたらすかもしれません。お悩みの方は、ぜひ一度専門医に相談してください。
芦屋ウィメンズクリニックは、JR芦屋駅から徒歩3分と便利な立地にあります。神戸や大阪からのアクセスも良く、市外から受診される方もたくさんいらっしゃいます。ご相談されたい方は、まずは受診予約をお取りください(予約はLINEが便利です)。あなたのお悩みを聞かせてください。
参考:
[1] Huixia Zhang et. al. Hysteroscopic Resection of Endometrial Polyps and Assisted Reproductive Technology Pregnancy Outcomes Compared with No Treatment: A Systematic Review; J Minim Invasive Gynecol. 2019 May-Jun;26(4):618-627
[2] Marit Lieng et. al. Treatment of endometrial polyps: a systematic review; Acta Obstet Gynecol Scand. 2010 Aug;89(8):992-1002.
[3] FM Carvalho et. al. Functional endometrial polyps in infertile asymptomatic patients: a possible evolution of vascular changes secondary to endometritis; Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2013 Sep;170(1):152-6.