重いものはいつからOK?自転車・運転・旅行の目安【手術後の生活】...
2026/03/31
2024/12/26
こんにちは、芦屋ウィメンズクリニックの錢 鴻武(せん こうぶ)です。
本日は卵巣嚢腫の手術についてお話しします。
「卵巣嚢腫」と診断されたけど、手術が必要?必要ない?どういう手術をするの?と不安に感じることもあるでしょう。ここでは、卵巣嚢腫の手術のタイミングや方法についてわかりやすく説明します。特に、卵巣を温存する場合、その機能を保つ重要性についても触れますので、手術を考えている方にお役立ていただければ幸いです。
卵巣嚢腫の手術には、「病変の部分だけを取り除く手術(嚢腫摘出術)」と「卵巣そのものを切除する手術(付属器切除術)」の2つの術式があります。嚢腫摘出術は、卵巣の機能を温存する手術であり、妊娠を希望する比較的若い年代の方に行われることが多い手術です。一方で、病気を根本から治したい場合や、卵巣がんなどの悪性腫瘍が疑われる場合は、卵巣ごと取り除く手術が選ばれます。どちらの手術が適しているかは、病状や年齢、妊娠を希望するタイミングなどを考えながら、医師と相談して決めることが大切です。
(連載:未来を守る手術の話_第3回 卵巣嚢腫の手術は「どこまで取るか」ではなく、「どこまで残すか」)
手術のタイミングについては、嚢腫が5〜6㎝くらいになった時点で手術を提案している施設が多いようですが、実はあまり医学的な根拠はありません。一律に大きさで手術適応を決めるのは正しいとは言えません。嚢腫の種類や患者さんの病状、ライフステージに沿って治療のタイミングを判断するので、5〜6㎝より小さくても手術を行うことがあります。逆に、それより大きくても、チョコレート嚢腫などでは薬物療法で経過を見ることもあります。
嚢腫の種類や患者さんのライフステージによって、提案する治療方針が変わるため、担当の医師とよく話し合うことをお勧めします。
卵巣嚢腫の手術はほとんどの場合、開腹することなく腹腔鏡手術が行われます。腹腔鏡手術は、傷が小さく体への負担が少ないため、回復が早いというメリットが強調されますが、実は一番のメリットではありません。

腹腔鏡手術では、カメラを使って体の中を拡大視するため、病変や臓器を細いところまで観察できます。そうすることで、開腹手術よりも繊細な作業が可能になり、特に卵巣の機能を温存する「嚢腫摘出術」では、その繊細さが非常に重要です。正常な卵巣の組織を極力傷つけずに嚢腫だけを取り除くことが重要であり、手技が雑になると、卵巣の機能を損ねることがあります。特に、チョコレート嚢腫の手術は、組織の炎症によって病変と卵巣の境界が分かりにくくなっているため、より術者の経験と技術が問われます。「病変を取り除くこと」についつい固執してしまい、「卵巣の機能」への配慮が欠けてしまうことは、往々にして起こりえます。
実際、卵巣嚢腫の術後に卵巣機能が大きく低下した症例を見聞きすることはしばしばあります。「嚢腫摘出術」は先々の妊娠を見据えた手術です。手術によって逆に妊娠しづらくなったら、何のための手術かわかりませんね。手術を検討する際は、信頼できる医師を選ぶことが重要です。
芦屋ウィメンズクリニックでは、患者様の「今」だけでなく、一人ひとりのキャリアや人生観など「未来」を大切にしながら、最適な治療のタイミングや方法を一緒に考えています。
当院院長が主治医として、連携医療機関へ出張して手術を行っております。術前の診断や話し合いから術後のフォローアップまでを同一医師がシームレスに提供し、トータルサポートを提供いたします。(連携医療機関へ支払う入院・手術に対する医療費とは別途費用負担が生じます)
手術についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。ご来院が難しい方は、オンライン診療でもお話を伺いますので、お気軽にお問い合わせください。セカンドオピニオンなど、情報提供のみを希望される方も歓迎いたします。
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錢 鴻武(産婦人科医/芦屋ウィメンズクリニック院長)
日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡・子宮鏡技術認定医
日本外科内視鏡学会 技術認定(産婦人科領域)
日本女性骨盤底医学会 専門医
「未来を守る医療」を信念に、子宮や卵巣の温存手術では機能の温存・回復にこだわった婦人科手術を専門に行う。
手術の技術だけでなく、術前の迷いや不安にも正面から向き合う診療スタイルが信条。
趣味はマラソン。走る医師として、サロマ湖ウルトラマラソンを10回完走し「サロマンブルー」の称号を得ている。フルマラソン自己ベストは2時間53分、富士登山競走も2回頂上まで完走。